学内講評会10選

成嶋良太 えんのあるまち

 古くからある木造密集市街地に特有の、滲み出し重なり合うかのような生活は、建替えや区画整理により壁の内側に閉じ込められてしまう。

 そうした再開発の代替案として、住戸の密度や領域の曖昧さを残した集合住宅の提案を行う。表裏の概念を持たない円形の重なりは領域の曖昧さを、包み込むコンクリート擁壁は集合住宅としての一体感を生み、周囲の耐火建築や空地と連動することで地域の延焼を防ぐ壁になる。