八雲審査会13選

竹田寛治 史層

 東京という大都市にはあらゆる歴史が堆積している。しかし、私たちの生活の中にそれらの歴史が入り込んでくることはなく、歴史遺構は都市の裏に姿をひそめている。対象敷地とする四ツ谷も多くの歴史遺構に背を向けて生活する地域である。

 この建築はあらゆる空間体験や風景の切り取りによって、より日常的な生活と歴史とを接続し、歴史・文化への興味の入り口として、江戸「外濠」の内部を這うように挿入される。